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孤独死のリアル

 

 

近年、日本は超高齢社会に突入し、高齢化率が25.1%に上昇している。そして高齢者のいる世帯は全体の4割、そのうち「単独世帯」、「夫婦のみ世帯」が過半数となっていて一人暮らし高齢者は年々増加している。このような現状から、孤独死問題、独居老人問題が日本の大きな問題点になっている。

孤独死のリアル (講談社現代新書)

孤独死のリアル (講談社現代新書)

 

 そもそも孤独死とは何だろう?著者は本書での共通認識として

 

「自宅で誰にも看取られずに亡くなり、その死が数日後に発見され、自殺や犯罪性を除く遺体」という亡くなり方を、「孤独死」と呼ぶことにする。

 

としている。そして2015年には、推計で約600万人、総人口比では21人に1人が孤独死になるというデータがあるらしい。

 

読者の皆さんの中にも、遠方の実家に高齢の親が独りで暮らしていて気になる、という方は多いのではないだろうか?また、遠方でなくても、親と別世帯で暮らしていれば、気にかかるという点では同じだろう。孤独死は、もはや特殊な問題ではなく、どこでも誰にでも起こりうる問題なのである。

 

僕が思うに、なんか社会の風潮として、「孤独死」する人は、人とのかかわりを自分から拒んでいたりとか、何かその人に問題があって孤独死してしまったんじゃないの?みたいなマイナスで冷たい印象を持っている人が多いように感じる。

 

 

このような冷たい印象を持ってしまうのは、メディアの伝え方も関係してると思うけど、僕が本を読んだりいろいろ調べたりして思ったのはそれは誤解だということだ。普通に生活を送ってきても配偶者に先立たれ、独り暮らしになって孤独死してしまうケースだって珍しくはない。

 

著者は孤独死に対して

 

社会全体が「孤独死」に対して関心を高め、お互いを気づかう社会を築き上げると同時に、一人ひとりが周辺の人々との関係を維持し、常に、「気にかけ、気にかけられる」社会にしていくことも重要である。

 

 といっている。これはその通りだ。社会全体として孤独死問題に関心を持ち、良質な助け合いの地域コミュニティーを構築することは重要だ。

 

 

では現在どのような対策をとっているのだろうか?

 

政府などは在宅医療・在宅介護の整備などを進めていたり、高齢者を見守り世話をする立場の民生委員の人の活動や、新聞配達業の見守り、自治体がヤクルトに依頼した配達・声かけサービス、行政のゴミ出しサービスなどすばらしいことを行っている。

 

 

こういうサービスはすごい重要で、見守りと同時に決まった時間に他人と会話する機会があるというのは精神的にもすごい良いことだと思うし、もっとこういうサービスがたくさん出てほしいと思う。

 

 

ただ、僕はシニア同士がたくさんの人とつながり、助け合いながら、毎日楽しく話せる友人がいる社会ができることが理想だと思う。一人暮らしのシニアには、人との交流が少ない人や頼れる人がいない人も多いし、そのような人にどのように社会との接点を持ってもらうかを考えるのが重要だと思う。

 

 

そしてシニア世代の自力を期待するんじゃなくて、サービスを提供する側の力が必要だと思う。

 

いかに対象者本人と信頼関係を築き、サービスにつなげられるかが重要なのである。

 

 僕はこの本を読んでシニア同士が毎日楽しく会話をできる地域コミュニティーをサービスとして構築していくことが重要だと思ったし、僕も自分に出来ることをしていきたいと思う。そのためにはシニア世代の人とたくさん話して現状などを分析し信頼関係を築いていかなければならない。

 

 

そして、生まれた年代がものすごく離れているから、今のシニア世代の人と価値観が違う事も多いと思う、だけど若い世代だから出来ることや発想もあるんじゃないかな、とも思う。

正直、僕にはまだ能力とか信頼とか、足りない部分も多いと思うけど小さいことからでもいいから、何か始めていきたいと思う。

 

 

この本では孤独死問題について良くまとめられていて、著者の思いもすごい伝わってくる良い本だ。孤独死問題について興味のある人にはお勧めです。

 

孤独死のリアル (講談社現代新書)

孤独死のリアル (講談社現代新書)

 

 他にも本の紹介などもしているのでもしよければ見てほしい。

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