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「学者は語れない儲かる里山資本テクニック」葉っぱビジネスで地方創生

学者は語れない儲かる里山資本テクニックを読んだ。著者は株式会社いろどり代表の横石知二さん。著者は徳島県上勝町(かみかつちょう)で葉っぱビジネスを行い、地域の高齢者を稼げるようにし、高齢者に出番と役割を与えることで、活き活きと幸せにし、地方の活性化に貢献した人だ。

学者は語れない儲かる里山資本テクニック (SB新書)

学者は語れない儲かる里山資本テクニック (SB新書)

 

 僕は事例としては結構前から地方活性化の代表例として知識はあったのだけど、少し前に見た、サワコの朝(土曜朝7時30分)でゲストで中尾ミエさんが上勝町の葉っぱビジネスを映画化した人生、いろどりの話や、高齢者の幸せなどについて話しをしていてすごい興味を持ったのと、僕も地域を活性化に関するする事業を行うので絶対に読んで損はないと思いKindleで買って速攻読んだ。 

 まず上勝町は徳島の山あいにあり、総面積の約9割が山林で人口は1700人余りでその大半が65歳以上の高齢者という小さい町だ。そこでは日本料理のつまものとして添える葉っぱの栽培、出荷、販売する葉っぱビジネスを行っている。70歳代や80歳代のおじいちゃん、おばあちゃんがタブレット片手に情報をやり取りして葉っぱビジネスを行い、中には年収1000万を超える高齢者も存在する。なので上勝町の高齢者はすごい元気でいきいきしている。

 

町の大半を占める高齢者たちに「出番」と「役割」があることで、以前には考えられないほど町の雰囲気は明るく元気になりました。体だけではなく脳もフル回転、「忙しゅうで、病気になっとれんわ!」「朝起きて今日は頭が痛いなあと思うとっても、仕事をしとったら頭が痛いのも治ってしまう!」というおばあちゃんもいます。

 

こういう町があるということは本当に素晴らしいことだし、僕も地方の町の理想像は上勝町をイメージしている。現代では、独居老人問題、孤独死少子高齢化などが問題になっているが、実際にそのような問題に的確にアプローチできているところは多くない。もともと僕はこのような問題に興味を持ったのは高校の時で、誰ともつながりがなく、話し相手がいない、頼れる人がいない高齢者が多いという現実をテレビなどを通して知り、やるせなさを感じ、そのような問題をどのように解決すれば良いか考えるようになっていた。

 

 

そしてその頃から一貫して僕が考えていたことは、ゆるいつながりを持った自発的な地域コミュニティーをたくさん作り、助け合いのセーフティネットを作ることだ。そして高齢者の人に対して、役に立っている、必要とされていると実感する仕組みを作ることだと考えていた。そのような仕組みを事業を通して作りだすことが重要だと考えていたのだけど、上勝町はまさに僕のイメージ通りだ。

 

 

これからの時代は介護や医療、福祉が重要になってくるというのは事実だし、介護人材などを増やすことは重要だろう。ただ、僕は高齢者の精神面の充実は見落とされている場合が多いのではないかと疑問に思っていた。

 

 

独居老人問題などで、頼れる人や話相手がいない高齢者が多いのも、簡単にいうと参加したいと思えるコミュニティーがなかったり、生きがいを見出せなかったりするのだろう。そんな人たちに、役割を与えてあげることが重要だ。

 

 

役割や生きがいがあればいきいきと毎日の生活にハリがでてくるし、元気になる。元気になれば病気になりにくくもなるし、健康寿命も延びる(昔読んだ本で、精神的に充実した高齢者は健康寿命が延びるというデータを見たことがある)。

 

 

そうすれば、医療費だって削減できるし、健康寿命が伸びれば介護が必要になる時期も少なくなる。まあ、一番は人生が楽しくなるし、精神的に豊かになる。自分が社会に役立っている、楽しい仲間がいる。地域で交流がある。そんな地域になれば誰もが助け合ってゆるくつながり幸せな地域になるはずだ。

 

 

そうすれば、若い人も移住してみようかなとか考える、やはり地方活性化には若い人は必須条件になるし、結婚して子供を産んでくれたりすればなおさら良いことだ。そして子育てだって助け合える地域にもなるし、相談相手もたくさんできるだろう(絶対に幼児虐待も減るし、子育てもストレスは軽減される、僕は幼児虐待に関して社会がもっととみんなで助け合おうみたいな雰囲気がないことに怒りを感じる、当事者だけを叩いたって変わらない、責任を人格のせいにしたって変わらない、人生はコントロールなんて絶対にできない、身近に相談やサポートできる仕組みを作らなければならない)。そのためには若い人が来たいと思えるまちづくりを行わなければいけない。

 

 

僕がこの本を読んでいく中で参考になった場所は、地元の重鎮に気をつけろだったり、地方あるあるをしっておく、根回しなしには進まない、信頼関係を作るなどだ。

 

 

何か解決しようと考えると必ず抵抗勢力が現れる。そのような抵抗勢力は地元で名誉や肩書きを持っている人だ。そのような人は出る杭を打つのが好きな人が多いのだそうだ。そのような風潮は地方などではあるらしい。そのような時に戦ってはダメだ。味方につけるしかないし、根回しはめちゃくちゃ大事だ。

 

 

僕も実際に活動していく中で、根回しはしっかりしていきたいと考えている。地域や町が本当に良くなる、高齢者の人がいきいきと幸せに暮らせる仕組みを作るという目標があるのならば、根回しくらいしなければならない。とにかく、地元の重鎮の話を聞きまくり共感し、役割を与え、あなたが必要なんです、とじっくり時間をかけて協力してもらえる体制を作るしかない。

 

 

今現在、世の中には自称地域コンルタントが山ほどいて、地元の人と交流もせずに、過去の事例だけを取り上げ、素晴らしく見せるような自己満プレゼンテーションをして、行政から金をもらい、さも成果が出たようにみせるコンサルタントも大勢いるそうだが、実際には成果が出ていないことは多い(今の時代に箱モノを作るとかおわってるからね、今の時代に箱モノを作ろうとか言い出す自称地域コンサルタントは信用してはいけないと思う)。

 

 

都会的な方法で効率重視で進めても地方の田舎ではうまくいかない。まず意識も違うし、風潮なども全然違う。なので、根回しだって必要だし、行政の職員の人たちともうまくやる必要があるし、地元住民とも交流をし、地元のことを知り尽くし、協力者を募らなければ問題は解決しない。まあ、僕もこのような活動は本気でしていくし、全力でやる。

 

 

とにかくこの本を読んでよかった。地方活性化したいとか、地方で事業を起こしたいなど考えている人は読んで損はないだろう。この本は本音で書かれていてすごい参考になった。

学者は語れない儲かる里山資本テクニック (SB新書)

学者は語れない儲かる里山資本テクニック (SB新書)

 

 他にも記事を書いたのでよければ読んでほしい!!