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僕と本と未来

本を読んで感想などを書いてます。

経済は感情で動く 1000円がいつも1000円とはかぎらない

著者はマッテオ・モッテルリーニさん。この本は非常に面白い。人間は合理的ではなく非合理なのだという事を痛感する。そして行動経済学は経済の主体であるところの人間の行動、その判断と選択に心理学の視点が入っていて非常に面白い。

経済は感情で動く―― はじめての行動経済学

経済は感情で動く―― はじめての行動経済学

 

 この本はクイズ形式で質問があたえられてそれに答えながら本を読み進めていく形式で、すぐに本に引き込まれる。読んでいくと僕たちは日ごろから合理的な選択をしていると思っていたことが非合理だったり、感情に流されていたりしていることが分かって面白い。それでは本の中の質問に答えてみてほしい。

Q1あなたは前から目をつけていた携帯電話を買いに行く。行ってみたら値段は9000円だった。代金を払おうとしていると、歩いて10分の「あっちの店では同じ製品を8000円で売ってるよ」と友達に耳打ちされる。さてどうしますか?安いほうの店に駆けつけますか?

 

Q2 Q1と設定は同じだが、今度はテレビが買いたくなったとする。ある店では19万9000円の値札がついていた。例の友だちが駆けつけて、歩いて10分の「あっちの店では同じ製品を19万8000円で売ってるよ」とささやく。さてどうしますか?安い店の方に走りますか?

 

 

はじめの質問にはほとんどの人が「イエス」と答え、後の質問には「ノー」と答える。あなたはどうだっただろうか。両方の質問とも値段の差は1000円なのだから結果は同じになるはずなのに、同じにならないということは非合理だという事だ。そしてこの結果から1000円の価値はいつも1000円とは限らないと分かる。

 

 他にも面白い質問があった。

Q1外科手術を受けた100人の患者のうち、90人が手術に成功し、一年後の生存者は68人、5年後の生存者は34人だった。放射線治療を受けた100人のうち、100人が無事に治療を終え、一年後の生存者は77人、5年後の生存者は22人だった。あなたはどちらの治療法を選びますか?

 

Q2外科手術を受けた100人の患者のうち、10人が手術中に死亡し、一年後には32人が、5年後には66人が死亡していた。放射線治療を受けた100人のうち、治療中に死んだ人はなく、1年後の死亡者は23人、5年後の死亡者は78人だった。あなたはどちらの治療法を選びますか?

 

 

この問題は両方とも同じことを言っている。しかし問題の掲示され方が異なったために選択に大きな差が開いた。Q1の方は外科手術を選ぶほうが82%だったのに対してQ2の方は56%にまで落ちたのだ。この結果から26%の人は情報の掲示の仕方によって選択を変えてしまうということが分かる。Q1の方では生存者に着目していてQ2の方では死亡者に着目しているのでこのような結果になったのだろう。まさに人間は合理的でなく感情で選択をしているのだという事が分かる。

 

僕はこの質問を見て怖いなと思った。情報の掲示の仕方によってこんなにも選択が変わってしまうのは少し怖いと思う。人間は非合理で当たり前なんだけど、たまに自分のした選択を客観的に見直してみるのも大事なんじゃないかと思った。

 

この本は他にもたくさんの質問に答えていく中でいろいろな理論などを学ぶことが出来て非常に役に立つし、読んでいて本当に面白かった。この本は非常にお勧めだ。

経済は感情で動く―― はじめての行動経済学

経済は感情で動く―― はじめての行動経済学