僕と本と未来

本を読んで感想などを書いてます。

僕は君たちに武器を配りたい 「希望」を作り出そう!

著者は瀧本哲史さん。現在、日本は経済的に厳しい状況に陥り、僕たちのような若い世代は未来に希望を感じられなくなっているという人も多いのではないか。この本を読むことでこれからどのようにしていけば、自ら新しい「希望」を作り出すことが出来るかを学ぶことが出来る。

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

 

 

著者は全産業で「コモディティ化」が進んでいると言っている。コモディティ化とは市場に出回っている商品が、個性を失ってしまい、消費者にとってどれを買っても大差がない状態をさす。そして資本主義ではコモディティ化した商品を市場で販売するという事は徹底的に買い叩かれることだとも言っている。

 

現在、インターネットによって知識コストや教育コストが激減している。レアジョブというサイトを知っているだろうか。レアジョブの提供しているサービスはスカイプを使ってフィリピン最難関の名門・フィリピン大学の優秀な学生と自分が好きな時に格安で英語学習ができるサービスだ。

 

毎日25分で月額5800円という破格の安さだ。なぜこのような仕組みでも成り立つかというとフィリピンでは英語がペラペラでも仕事のない状況にあり、日本円で時給数百円でも割のいいアルバイトになるからだ。

 

このようにグローバル化が進んでいる現在あらゆる産業がコモディティ化に陥ってしまう危険性が出てきている。

 

決められた時間に出社して、決められた仕事を決められた手順で行い、あらかじめ予定していた成果を上げてくれる人、そういう人であれば、その中でいちばんコスト(給料)が安い人だけが求められるのが、現在のグローバル資本主義経済システムなのである。

 

 では僕たちはこれからどのようにしていけば良いのだろうか?

 

著者はコモディティにならずに、主体的に稼ぐ人間になるためには、これから紹介する6タイプのいずれかの人種になるのがもっと近道になるという。

 

1、商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)

2、自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をするひと(エキスパート)

3、商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人(マーケター)

4、まったく新しい仕組みをイノベーションできる人(イノベーター)

5、自分が起業家となり、みんなをマネージ(管理)してリーダーとして行動する人(リーダー)

6、投資家として市場に参加している人(インベスター=投資家)

 

ただこの中でも1(トレーダー)と2(エキスパート)については今後生き残っていくのが難しくなっていくという。

 

1は商社や広告代理店、旅行代理店など「代理業務」を行っている企業が該当する。これはネットの普及により何か物を買おうと思えばGoogle検索をすれば同一ジャンルの商品が一覧で表示され価格やスペックが簡単に比較できるからだ。他にも新しいネットメディアにおいては既存の広告代理店を通して発注する必要もなくなると著者は言っている。

 

2は会計士や弁護士などが該当するが今現在、需要にたいして供給が多すぎるというのはよく言われている。アメリカでは日本の数十倍の弁護士がいて値段の叩き合いがおこっていて「弁護士のコモディティ化」が進んでいるらしい。アメリカでは交通事故にに巻き込まれたときに弁護士を呼ぶことが珍しくなく、救急車の後を複数の弁護士が仕事を求めて追いかけるという事態にもなっているという。

 

そして残りの4種類の人間がこれから生き残れるビジネスパーソンだという。

僕がこの本を読んで思ったのは3~6の人は自ら考えて工夫し、新しい価値を創りだすことができるという事が共通していると思う。

 

重要なのは、世の中で新たに始まりつつある、かすかな動きを感じ取る感度の良さと、なぜそういう動きが生じてきたのかを正確に推理できる、分析力である。さらに売るモノは同じでも、「ストーリー」や「ブランド」といった一見捉えどころのない、ふわふわした付加価値や違いを作れることだ。

 

このように全産業のコモディティ化が進む中でデザインやブランドなどを生み出し適切な市場に商品を売る戦略を考える人間が非常に重要になってくる。

 

そしてイノベーターになるために大事なことを著者はこのように述べている。

イノベーター型の起業家を目指すのであれば、特定分野の専門家になるよりも、いろいろな専門技術を知っていてその組み合わせを考えられる人間になることのほうが大切なのである。

 

 そして著者はイノベーションをある業界で起こすための発想術はそれほど難しくないと言っていて、その方法はまず常識を書き出しその反対を検討することだという。

 

例えば大人が対象となる商品を子どもを対象にしたらどうなるだろうと考えてみることなどだ。

 

リーダーについては「自分はすごい」という勘違いが重要なことや、意見がころころ変わる、つまり結果を出すためにすぐ考えを変えることができる適応力の高い人間が向いているという事も分かった。

 

では具体的にどのように学んでいけばいいいのかについて著者は「リベラルアーツ」を学ぶことが重要だという。

 

リベラルアーツでは、人類が歩んできた歴史や過去の叡智の結晶である哲学、芸術や文学、自然科学全般について勉強する。幅広い分野の学問領域を横断的に学ぶことにより、「物事をさまざまな角度から批判的に考える能力」「問題を発見し解決する能力」「多様な人々とコミュニケーションする能力」「深い人格と優れた身体能力」などの力を身に着けることを目指す。

 

この本を読んで、どのように考え行動していけばコモディティにならずに生き残っていけるかという事が具体的に分かってよかった。現在、日本経済は厳しく、希望を持つのが難しい時代だと思う。でも、だからといってすべてを経済のせいにして希望を捨てるのではなく、少しずつでも現状を良くしようと行動していくことによって希望を見出せるような世の中になったらいいなあと思うし、僕もがんばっていこうと思う。

 

そして自分を信じて新しいことに積極的にチャレンジしていこうと思う。 

僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい

 
 

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