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僕と本と未来

本を読んで感想などを書いてます。

稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則

稼ぐまちが地方を変えるを読んだ。著者は一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表の木下斉さん。この本を読んだ感想は、著者はきれいごとを言わすにストレートに問題点を指摘していく。例えば補助金は悪、行政の仕組みを変えるべきだや民間が主体になるべきなど本音で語っていく。 ただ、僕は違和感というか価値観の違いを感じる部分も少しあったが、読んでたくさん学べたし、新たな視点を持てたので読んで良かった。

 本書を読んで印象に残った部分や僕が考えたことを書いていこうと思う。僕が読んで感じたのは、著者のいう地方活性化の成功とはまちが稼いで利益を上げることだ。そして補助金に依存せずに自らリスクをとって地方で小さくビジネスを始め、稼いでいく。そして得た利益を新たなビジネスに投資していくという考え。そして行政の体制を変えるべきで民間主導にし、行政は民間のサポートをしていくべきだみたいな主張だ(詳しくは本書を読んでほしい)。

 

 

まあ、本当に正しい主張だ。だけど、まあみんなの合意はいらないとか住民を集めてのファシリテーションなどには否定派だ。そして地方でのビジネスも合理的に効率的に進めていけという考えだ。

 

 

たぶん多くの人はその通りだと考えると思うし、アマゾンのレビューでも評価は高かった。行政の職員の方や、地方でビジネスをしている方は読むべきだろうし、まちづくりを成功させる「10の鉄則」は当たり前のことも多いがあまりビジネスに詳しくない方は読んで得るものが多いだろう。

 

 

しかし、僕は否定するつもりもないし、いろいろな役割の人が地方にいるべきだとも考えるけど、稼ぐだけでは本当の地方活性化にはならないという視点も必要だと感じた。それは僕の定義が違うからだ。例えば僕は効率や合理的さを追求した東京が本当にいいのか?と問われると違和感を感じる。東京はいい街だし、すごい便利で刺激的だけど、一方でつながりがなく、様々な問題もある。

 

 

地方でも例えば企業を大量に誘致して東京のようにして稼げればそれでいいのかと問われると違うだろう。僕が考える地方活性化とは地方の人がいきいきと助け合いながらゆるいつながりを維持して生活していくことができる地域にすることだ。

 

 

もちろん稼ぐのが悪だなんて全く思わないし、利益を上げることは重要だ。それと僕は世の中の合理的でなく効率的でもない仕組みは撤廃して合理的で効率的にするべきだと日頃から思っている(だけど地方では僕は効率性や合理性だけでは本当に住みやすく素晴らしい地域になるかは疑問だ)。地方で利権を持っていて不当に儲けている会社や、市場の自由競争になっていない会社などはクソだと思っているし、東京のようにするべきだろう。それに、正直いって行政はまちづくりで無駄な箱モノを大量に作りまくっている現実もあるし、補助金も使い道が決まっているので金のために覚悟もなく始める人もいるし、柔軟性がなく、うまくいかない場合も多い。

 

 

 

ただ、僕の考えとしてはお金のためだけにビジネスをするのなら、東京でやった方がいいと感じる。自分でベンチャーを立ち上げるとか、東京の面白そうなベンチャーに入る方がいいだろう。僕個人としては地方でビジネスをする意味は地元住民にとってのしあわせにつながり、イキイキと生活できるようなことに関わることであるべきだと感じるし、地方でビジネスを行うのはそれなりに理由があるはずだ。

 

 

それと僕は稼ぐだけじゃ地方は変わらないと思う。お店がたくさんできて活動的な人がたくさん来たとしても、取り残されている人を絶対に忘れてはいけない。地方を元気にするということは取り残されている人やストレスを抱えている人、様々な問題を抱える高齢者を元気にすることも重要だ。そのような人たちがいきいきと生活できて助け合える地域にすることも確実に地方活性化だろう。だから表面的な見た目だけで勝手に地方が活性化したと勘違いしてはいけないと思うし地方活性化とは地元住民が元気になることだ。だから僕と著者の地方活性化の成功イメージは違うが、どちらのタイプも確実に地方に必要だろう。

 

 

 

まあもちろん、様々な店が地域にあることは重要だけど、著者のいう地方活性化にはビジネスだけだみたいな感じには少し違和感を感じた。まあ様々な役割があるし、この本を読んだだけで、地方は稼ぐことだけが正義だみたいに捉えてもらっては困るなと思ってしまったし、本書に地域のつながりの希薄化などの問題についてなどは一言も触れていなかった。

 

 

まあ、これは僕が社会起業家的な考え方だからだろう。正直、現在東京をはじめ様々な地域でつながりがない高齢者や育児でも周りのつながりがなくストレスを溜めまくっている親などがいるという現実があるし、住民の意見を軽視したりしてはいけないとは思うし経済が活性化しただけで地元住民がしあわせになるはイコールではない。雇用を大量に作り出したとしても国は喜ぶだろうが、それが企業誘致だけで達成したものでは住民のしあわせに必ずしも繋がるとは限らない。だからコミュニティデザインみたいな考えはやっぱり大事だ。しかし、どっちに偏りすぎてもいけないと感じたしどっちの視点も持ち、いいあんばいを見極めることが重要だ。

 

 

もちろん利益を上げることは本当に大事だ。だって会社組織を運営できないし、仲間を増やせないし、幅広い地域に広げていけないし、新規ビジネスも立ち上げられない。しかし、地元住民の意見を聞き、巻き込むことは重要だと思う。ただ、話をたくさんした後にビジネスとしてする場合は最終的にはリスクをとる主要メンバーで決めるべきだとは思う。正直コミュニティデザインだけで利益を得るのはしんどいと僕は思ってしまうし、僕はコミュニティデザインの考えを知りながらも、地域課題を解決し、地元住民が自発的に参加してイキイキと働けるビジネスを作っていく。

 

 

本の内容はざっくりで僕の考えを多く書いたけど、著者は商店街の活性化に長く関わっていたこともあり、ものすごく参考になった。商店街の空き店舗のオーナはそんなに困っていなくて、まちを活性化させようみたいな意識は低い場合が多いことやまちづくりには不動産オーナーがすごく重要なこと、全体的にまちを良くしようみたいな考えの住民自体少ない。だから賛同者を募って少数で始めるというのも納得できる。まあ、覚悟を決めろってことだと思った。

 

 

著者の主張は鋭いし、地元住民や行政の意識の低さ、ビジネス感覚の欠如などを指摘しているし、実際にその通りだろう。だからビジネスだけに偏ってはいけないとは思うけどビジネス的意識はしっかりと持ち、挑戦した時も人に反対や批判されたくらいでめげるようでは何にもできないだろうし、覚悟を決めてやることが重要だと感じた。

 

 

地方活性化したい人や行政の方、地方でビジネスを行っている人は読んでみるといいと思う。僕はこの本を読んでやっぱビジネス的視点も絶対に忘れてはいけないし、みんなの合意を集めたり、波風立てないということに慎重になりすぎるのもダメだなと感じた。やはりたくさんの価値観や視点を持っておくということは重要だと感じた。

 

 他にも記事を書いたのでよければ読んでほしい!!