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僕と本と未来

本を読んで感想などを書いてます。

ふるさとを元気にする仕事

ふるさとを元気にする仕事を読んだ。著者は山崎亮さんで、studio-L代表でコミュニティデザインで注目されている。この本も内容はぎっしりと詰まっているし、コミュニティデザインが生まれるまでの時代背景や流れ、事例、働き方、自分の未来をどう描くかなどもわかりやすく全体的に良かった。

ふるさとを元気にする仕事 (ちくまプリマー新書)

ふるさとを元気にする仕事 (ちくまプリマー新書)

 

 コミュニティデザインについては前読んだ本の感想でも書いたので、僕が印象に残った部分や僕が考えたことを書いていこうと思う。

現在、地方のまちの商店街は空き店舗が増え、締め切った店舗ばかりのシャッター街になっている。そして地方では大型ショッピングセンターが続々と登場し、若い人たちは品揃えも豊富で駐車場も広い郊外のショッピングセンターへと車で出かけていく。

 

 

さらに僕らの世代は買い物はネットで多くを済ますことも多い(僕は小さいころからほしいものはアマゾンで買ってたし)。しかし、一見誰もが便利になって良かったのではないかと思ってしまうが、地方の高齢者は車にも乗れずインターネットを使えない人もまだ多い。そのような人たちの生活は不便になっている。

 

 

高齢者の買い物を、歩いて通える地元の商店街が支える。あるいは、高齢者がインターネットの便利さを享受できるように若い世代が手助けをする。そして、高齢者が培ってきた英知や経験が、若い世代の人生に引き継がれる。子どもからお年寄りまで、「そこに暮らしている」ことに"豊かさ"を感じられるコミュニティ。ふるさとは、そんな場所であって欲しいと僕は思うのです。

 

 

そのようなふるさとになれば確実に幸せになれる。もう若い世代はとっくに気がついているが、幸せは、物を大量に所有したって金を大量に稼いだって得られない。僕なんか生まれた時からバブルはとっくに崩壊していたし、日本の景気はずっと悪かった。

 

 

人間の幸せは人間関係が良好であるとか、人とのつながりがあるということが非常に大事になってくる。しかし、現在人とのつながりは希薄化している。高齢者は生きがいを見出せなかったり、話し相手や頼る人もいない人も多い。そんな時にコミュニティデザインが大切になってくる。

 

 

昔は町内会などを中心につながりがあり、地元住民が自主的に街を作っていこうという姿勢があったのだが、GHQは町内会が握っていた教育や福祉の機能を抜き取った。教育や福祉はまちの人にとって貴重な人と人がつながることができる機会だった。

 

 

これによって、しがらみからは解放されたが、人とのつながりは希薄化し、まちづくりは行政に一方的に任せ、なんでも金で解決すればいいという価値観になった。僕がいつも考えるのは、便利になるとか、なんでもしてもらえることが幸せなのかという点だ。

 

 

もちろんテクノロジーの進歩は素晴らしいし、インターネットもものすごく世界を変えた。ただ、失うものも、もちろんあっただろう。現在では様々なサービスが登場しているし、便利な世の中だ。しかし、こういうサービスが全て本当にサービスを受ける側にとって幸せに直結しているのかは謎だ。

 

 

 

例えば、最近見た高齢者の見守りロボット。僕はいいものだとも思うけど、それを導入すればそれでいいのか?と問われると疑問を感じる。もちろん会話機能もあるが、ロボットは人間ではないし、ないよりはあった方がいいかもしれないけど、根本の解決にはつながらない。僕が高齢者だったら機会に見守られるなんて嫌だし、なんか気持ちよくないだろう。他にも老人ホームなども疑問に思う点は山ほどある、本当に高齢者の幸せについて考えて工夫しているのだろうか、本当に自分が高齢者になった時にサービスを受けたいと思える仕組みなのだろうか?

 

 

他にも国の視点から考えると、本当に人口を増やすことが幸せなのだろうか?経済成長は本当に大事なのか?企業などでも、なんでも大量に売れば社会はよくなり、幸せになるのだろうか?

 

 

別に僕は経済成長はしなくていいなんて、甘っちょろい考えをいうわけじゃない。人口だって増やしていかなければいろいろ大変な問題が起こることは事実だし、移民も賛否両論ある。原発だって、絶対に即廃止なんてとても言えやしない。ただ、僕はどんなことに対しても、幸せになるための最適な選択をしっかりと議論し様々な観点から考える必要があると考える。

 

 

よく言われる原発だって、廃止したいからすぐに廃止できると思っている人も多いけどそんなの無理だし、使用済み核燃料どうすんの?って思うし他にも様々な問題がある。使用済み核燃料の維持費で莫大の税金がかかり、国民の負担額は跳ね上がるし、電気料金も上がる。しかも青森の六ヶ所村の再処理施設は満杯で増設なんてできない。だったら50年前の軽水炉という技術じゃなくて最新のビルゲイツが出資している進行破炉や次世代原子炉に変える方法だってあるし、東芝傘下の米ウェスチングハウスの新型炉を使うという選択肢もある。その他にも技術者の問題などもある。こういう問題なども一方的な感情論だけでなく、本当に国民が幸せになれる道はどうすればいいのかを考えなくてはいけないと思う。

 

 

会社だってそうだ。大企業だってとにかく大量に作って大量に売って大量に廃棄される仕組みで動いている会社も多いがそれってさ、どうなんだろう、確かに売り上げをあげなくちゃ潰れるけどさ、もっと考えるべきことはやまほどあるだろう。高齢者に対しての便利なサービスも本当に幸せに直結しているのか?サービスを行っている側や若い世代が満足しているだけではないか?根本の解決につながっているのか?などを考えなければいけないと思う。

 

 

 

だから地方活性化にはそういうのも気をつけなければいけないと感じた。サービスを提供する側が一方的に支援する側になるのは違うと思うし、住民の自主性を引き出すのをサポートして良いまちにしていこうとすることが重要だ。そしてまちの人たちの多くに参加してもらうために行動し多くの人を巻き込むことが重要だと感じた。

 

 

そして著者は2014年に施行された「まち・ひと・しごと創生方」での地方における雇用の創出が重点課題として掲げられていることについても疑問を投げかける。企業を地方に誘致して雇用を作るだけでは都市部と同じ構造を持ち込むことでしかない。

 

僕らが考えるべきは、資本主義的なシステムに振り回されない「働き方」と、個人主義的な価値観に惑わされない「生き方」の実践なのです。どの地方にも都会にはない資源がたくさんあるし、それがふるさとの魅力でもあります。そして、ふるさとの魅力を活かす働き方は、ふるさとに生きる人たちが自らつくり出せるものだと僕は思ってます。

 

それと地方創生する場合に気をつけることもある。例えば、箱モノを作ってそこでコミュニティを生み出すとか、地代家賃で収益を見込んだり、有名ショップの出店で集客を図るなどは参考にならない。 だからそのようなことを気をつけながら、コミュニティデザインを実践していくことが重要だ。

 

 

この本はコミュニティデザイン以外にも様々なことが書かれていて良かった。例えば計画された偶然性が大事だとか、自ら学ぶ姿勢の大切さ、これからの働き方、本との付き合い方、たくさんの事例、マーク・グラノヴェッターのウィーク・タイズのところや著者の自伝的内容もわかって読んで良かったと思っている。

 

 

これからは確実に地方がすごいと思う。日本は高齢化の進行率は世界トップだし、最先端だ。そして地方にはたくさんの資源や宝が眠っている。そして大きなやりがいを得ることができる。もしも地方活性化に興味ある人やこれからの働き方を考えている人は読んでみると得られるものが多いと感じるだろう。 

ふるさとを元気にする仕事 (ちくまプリマー新書)

ふるさとを元気にする仕事 (ちくまプリマー新書)

 

 他にも記事を書いたのでよければ読んでほしい!!